注目企業インタビュー

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マクニカネットワークス株式会社

ネットワーク・セキュリティに圧倒的な強みを持つ「技術商社」 世界中から最先端技術を発掘し、新しいマーケットを切り拓く

技術統括部 統括部長
海外事業推進室 室長代理
畠山 義秀 氏
IT商材専門の「技術商社」として、IT業界で独自のポジションを確立しているマクニカネットワークス。同社は、もともと半導体商社である株式会社マクニカのシステムおよびネットワーク商材の取扱部門に起源を持つ。1980年代前半からイーサネットトランシーバーをはじめとするネットワーク製品の自社開発に着手。1990年代からは自社製品の開発とともに、世界中から優れた製品を導入して顧客企業にとって最適なネットワーク環境を提案することで事業を拡大し、2004年にマクニカネットワークスとして分社独立した。現在は、圧倒的な強みを有するセキュリティ事業を中核に、ネットワークインフラ事業、システムインテグレーション事業、ミドルウェア/アプリケーション事業、テレコム事業の5つの領域で事業を展開。常に最新のテクノロジーを発掘し、日本に新しいマーケットを切り開くことで成長を続けている。今や従業員数は600名越え、売上も約400億円に迫っており、マクニカグループの中でも高い営業利益率を誇る。
ネットワークおよびセキュリティ分野のTop Runnerとして技術力の高さにも定評のある同社では、今後、IoTやAI、データインテリジェンスといった事業分野へも参入していく計画。新たな成長を見据え、キャリア人材の積極採用に動いている。同社で仕事をすることで、エンジニアはどのようなやりがいを感じられるのか? そして同社が求める人材像とは? 同社技術統括部 統括部長 兼 海外事業推進室 室長代理の畠山義秀氏にじっくりと話を訊いた。

「その製品については日本で右に出る者はいない」
と言われることを目指し技術を追究

マクニカネットワークスといえば「セキュリティに強い」ことで業界にその名を知られている。ただし、「技術商社」である同社は、自らセキュリティ製品を開発しているわけではない。最新のセキュリティ製品を世界中から発掘し、それらをいち早く日本に持ってきて、顧客の課題に応じて提案するのが役割だ。
「お客さまの課題の顕在化から、現状のアセスメント、解決策の検討、製品の選定、導入、保守運用に至るまで、全てのプロセスをカバーしており、直販のお客さまに対しては全てを我々が行っています。ただ、実際は、SIerが大規模な企業システムを構築するにあたり、セキュリティの部分で我々の取り扱い製品が採用される、というケースがほとんど。その際、汎用品でないことから技術的に複雑な問題がたくさん出てくるので、それに対してサポートをしています」と畠山氏は説明する。

こうしたことを行っていく上では、マクニカネットワークスのエンジニアには、仕入先メーカーのエンジニアに匹敵するほどの技術的知見が必要とされる。
「我々が初めて日本に製品を持ってくるわけですから、当然ながら国内には知見がありません。そのため徹底的な検証や調査を通じて、『その製品については日本で右に出る者はいない』と言われるエンジニアになるようスキルを追究しています」と畠山氏は語る。

高度な標的型攻撃について世界トップレベルの研究に取り組む

マクニカネットワークスでは、得意とするセキュリティの分野において対象とする領域を絞っている。同社がフォーカスするのは特定の人/組織をピンポイントで標的にして機密情報を抜き取ろうとする高度な「標的型攻撃」と呼ばれるものだ。
「標的型攻撃で狙われるのは人事情報や企業/組織の知財等。ばらまき型の攻撃に比べて、攻撃の総数は少ないものの、被害を受けた場合に経営・事業に与えるインパクトが非常に大きい。だからこそ攻撃から守り抜くことが極めて重要になります」と畠山氏は言う。

そのため同社では社内にサイバーセキュリティに特化した最新テクノロジーや動向を調査研究する「セキュリティ研究センター」を設置。世界でもトップレベルの研究に取り組んでいる。さらに顧客環境を擬似的に構築して実証実験を行える「技術検証センター」も完備。メーカーではなく商社がこうした研究組織や設備を有するのは非常に珍しいといえるだろう。また、このような研究を行い、検証の手法を有しているからこそ、発掘するセキュリティ製品が本当に効果あるものかどうかも見抜けるわけだ。

また、同社では主に米国やイスラエルから最新のセキュリティ製品を輸入しているが、単純にそれをそのまま顧客に提供しているわけではない。「アジアに対する攻撃」を研究し、その知見を盛り込んだ上で提供しているのがポイントだ。
「当社の競合となるのは、同業のIT商社、MSSP(Managed Security Service Provider=セキュリティサービスに特化した専門会社)、セキュリティ製品販売やサービスを提供するIT系企業、大きく3つが挙げられますが、マルチベンダーを取り扱えて、コンサルティングからオペレーションまで全てのサービスを提供でき、かつ日本を標的にした攻撃に対する脅威情報をしっかり持っているのは当社だけでしょう」と畠山氏は自信を見せる。

やりがいは、自分自身の手でマーケットをゼロから切り拓けること

マクニカネットワークスのエンジニアの業務は、マーケットの創出から技術検証、製品の啓蒙活動、提案、設計、導入時の技術サポート、導入後の技術コンサルティング、導入先へのトレーニング、さらには製品力向上のための仕入先メーカーへの機能拡張提案まで極めて多岐にわたる。とりわけ製品の啓蒙にエンジニアが深く関わるのは同社の大きな特徴だ。
「持ってくる製品が先進的な、日本初のものばかりなので、当然、誰も知らないんですよ(笑)。パートナーであるSIerも、内容がわからないものに対して不安を持つこともあるので、とにかく啓蒙活動には力を入れます。展示会や自社イベント、セキュリティ関連のセミナーなどを通じて、製品の認知度・理解度を上げる活動を、エンジニアも営業担当者とともに行っていますね」

同社では毎年数多くの仕入先と取扱契約を結ぶが、導入段階ではその製品を担当するエンジニアと営業担当者がタッグを組んで「この製品をマーケットに広げるにはどうすればいいか?」と戦略を練り、一緒にお客さま先まで足を運ぶ。それだけに同社の場合、営業担当者にも、技術的に深い理解が求められる。

こうした活動を通じて、「自分自身の手でマーケットをゼロから切り拓く」ことを体感できるのが、同社で働くエンジニアにとっての一番のやりがいだと畠山氏は言う。
「当社の場合、誰にも知られていないニッチなところに切り込んで、そこから自分で主導しながら製品を育て、ビジネスを拡大できる。取扱いしてすぐに利益が出る製品ばかりではなく、黒字化するまで試行錯誤が必要となるものもある。このあたりは商社ならではの面白さでしょう。だからこそエンジニアにも仕入先メーカーへの対応やお客さまへの提案、PLを意識するなど、ビジネス的な思考が求められます。新しいこと、変化するものにワクワクできる探究心旺盛な人には、非常にチャレンジングかつエキサイティングな環境だと思いますね」

心の中に「芯」を持つ人に来てほしい

セキュリティ分野で業界に確固たるポジションを築いたマクニカネットワークス。今後も、セキュリティをメインに、ネットワークインフラ事業、システムインテグレーション事業、ミドルウェア/アプリケーション事業、テレコム事業といった既存事業をさらに伸ばしていくことは当然として、新たにIoTやAIといった分野で、新規事業を次々に立ち上げていく考えだ。
「IoTやAIはセンサーが重要で、親会社の半導体商社であるマクニカを巻き込みながら強みが出せる部分。特にAI分野における事業開発には力を入れていきたい」と畠山氏は言う。

こうしたことを実現していくためにも、現在、同社ではエンジニアの積極採用に動いている。大きくセキュリティ、ネットワーク、ソフトウエアの3つの分野でジュニアからエキスパートまで幅広く人材を募集。求めるスキルはポジションによって異なるが、いずれにせよ、スキルより重視するのはマインドセットの面だ。

「ただなんとなく日々を過ごしている、というのではなく、仕事や趣味で、『こういうことが好きだ』『こういうことがやりたい』という堅い『芯』のようなものを持っている人にぜひ来てほしいですね。当社は新しい製品を見つけてきて日本に広めていく会社ですから、技術的な好奇心が旺盛で、主体的にどんどん動けることも大切です」と畠山氏は期待を込める。

また、同社では、前述のように、エンジニア自らが製品について啓蒙し、顧客やパートナーに使ってもらえるようにすることが必要なため、「コミュニケーション能力」も欠かせない。
「ただしこれは、単に弁が立つという意味ではありません。必ずしも弁が立つ必要はなく、自分の想いをしっかりお客さまに伝えて、信頼・納得していただけることが大事です」

同社は常に新しい取扱製品を求めてグローバルに活動しており、海外の仕入先メーカーのエンジニアとやり取りをすることも多いだけに、エンジニアであっても英語を避けて通ることは不可能だ。ただし、入社時点から高度な英語力を求めるわけではない。仕事をする中で必要に迫られた場面でしっかり踏ん張れるか、どれだけの習得力を発揮できるかの伸びしろを重視する。

一方で、営業の人材についても、前述通り製品に対する深い技術的な知識や理解が求められるため、IT業界の経験があったほうがベター。仕入先メーカーや顧客との折衝をコントロールする力やチームマネジメント能力を持っていることも大切だ。

1人ひとりの想いを大切にしてくれる会社

マクニカネットワークスの社風はひと言で表すと「オープン&フラット」。役職や年齢によらず、全社員がイコールパートナーとして意見を交換する。また、「権限移譲」も同社を表現する上でのキーワードだ。経験のない仕事であってもどんどん任せ、担当者の意見を尊重する。だからこそ意思決定のスピードも速い。

「権限委譲というと大げさに聞こえるかもしれませんが、私は『1人ひとりの想いを大切にしてくれる会社』だと思っています。個人の『こうしたい』という考えを認め、尊重してもらえる。そんな文化が根づいています。 たとえ青臭いことを言っても冷やかされるようなことはなく、きちんと議論してくれる人が多いですね。
例えば、今や当社の主力製品の1つになっているFireEyeにしても、最初の数年間は全く引き合いがなく、こういってはなんですがコストがかかっていました(笑)。それでも担当者の『これは絶対にマーケットから必要とされる日が来る』という強い想いを尊重してくれて、『じゃあとことんやってみろ』と、目先の損得を意識するのではなく、長い目で向き合うことを良しとする文化があったからこそ今があります。」

キャリア人材の入社後の教育については基本的にはOJTが中心。ただ、社内・社外両方で様々な研修は用意されており、その人のレベルに応じて、必要な時に必要な研修を受ける、というイメージだ。

評価は年功序列を極力排除し、個々人の目標に対する達成度と、目標達成のために行動したプロセスを元に行っている。目標設定およびフィードバックの面談は半期に一度行われ、上司評価と自己評価をすり合わせて評価がされるため納得感も高い。

また「挨拶」や「環境整備」といった基本的なことを大切にしているのも同社の特徴だ。同社を訪問すると、誰もが元気な声で「こんにちは!」と挨拶してくれ、非常に爽やかで心地良い。また、1日の仕事を終えたら仕事道具は全て引き出しに。トイレ清掃も社員が持ち回りでやる。この際、社長も例外なくローテーションに入っているというのがいかにも同社らしい。
「こういうことをお題目ではなく、本気でやっているのが当社のカルチャー。整理整頓・環境整備をしっかり行うのも、ちょっとした汚れに気づくことは一種のセンサーのようなもので、それはお客さまの変化や課題に気づくことにつながると思っています。新しく入社してくる方も、直ぐに慣れて楽しそうに取り組んでいますよ。」と畠山氏は誇らしげに語る。

「想いを一緒にできる人とぜひ一緒に働きたいですね。当社の価値観に共感してくれる方のご応募をお待ちしています」と語る畠山氏。グローバルな視野を持ちながら、自らが主体となって新しいマーケットを生み出していきたいという高い志を持ったエンジニアに、まさに最適な環境といえるのではないだろうか。

ライター プロフィール

荒濱 一(あらはま・はじめ)
1971年、東京生まれ。上智大学文学部教育学科卒。高校教諭、タイ・インドでの広告代理店勤務を経て、1998年からライターとして活動を開始する。現在、ビジネス(特に人材・起業)、IT/デジタル機器、著名人インタビューなど幅広い分野で記事を執筆するほか、広告コピー分野でも活躍。
◇主な著書
『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(高橋学氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(高橋学氏との共著)

リーベルコンサルタントから一言

技術商社でありながらセキュリティ製品を数多く扱い、自社でも研究センターを持つ稀有な企業です。
誰も知らなかった先進的な製品を日本で初めて導入し、パイオニアとなって展開しつつ、あくまでお客様の要望ありきで様々な製品をコンビネーションさせていくことができる、そんな企業は同社ぐらいではないでしょうか。
インフラ知識を活かしたい、セキュリティにも興味があるという方、かつお客様の機微な変化や課題に気づいていく同社のカルチャーに共感できる方に強くお勧めします。

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