採用課課長
田井 宣裕 氏
カスタマーエクスペリエンスサービス部第二課長
須賀 亮介 氏
さらに、クライアントは売り上げ規模が1000億円以上の大企業が大半。他の外資系コンサルや大手SIerとはコンペで頻繁に競合するが、従業員1200人ほどのJSOLが同1万人を超える並み居る大手競合を抑えて受注を勝ち取るケースも多く、業界内では圧倒的に高い信頼感を得ている。
そのJSOLが近年展開に力を注いでいるのが、DX推進プラットフォーム「ServiceNow(サービスナウ)」だ。ServiceNowは、競合企業も同様に注力しているが、JSOLは業界でもいち早く着手し、持ち前の課題解決力を武器に業界をリードする勢いで導入を加速している。
JSOLはなぜそこまで強みを発揮できるのか。ServiceNowに力点を置く狙いは何か。そして、エンジニアとしてジョインすることで、どのような成長軌道を描けるのか。自身も長らく同社のインフラエンジニアとして携わり、経営企画の業務を経て現在はキャリア採用や人材育成を担当している、HR本部人財開発部採用課課長の田井宣裕氏と、現場の最前線に立ちServiceNow事業をけん引する、法人ビジネスイノベーション事業本部カスタマーエクスペリエンスサービス部第二課長の須賀亮介氏が、その全貌を語ってくれた。
上流のコンサルティングから保守運用まで一気通貫で手掛ける
将来を見据えた付加価値のある提案力で競合との差異化を図る
HR本部人財開発部採用課課長
田井 宣裕 氏
JSOLは、元々三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)のSIerである日本総合研究所(以下、日本総研)が母体だ。同社には大別して、SMBCグループ会社向けにシステムを開発・保守運用する部隊と、それとは別に他の法人向けにコンサルティングやシステム開発・保守運用を行う外販部隊があり、2006年に後者が分社する形で日本総研ソリューションズが設立された。その後、2009年にはNTTデータと資本・業務提携を行い、日本総研50%、NTTデータ50%とちょうど半分ずつ株式を持つ会社として発足したのがJSOLだ。
この資本関係が実に絶妙だ。どちらかが1%でも上回っていれば、株式が多いグループの意向に左右される可能性もあった。だが、両者の株式数は完全にイーブン。経営に関する肩入れもない。NTTデータグループやSMBCグループとはリレーションを保ちつつ、いい意味で“自立”して案件を獲得し、その後の開発や保守運用も担っている。親会社の作業工程を分担してあてがわれるような、一般的なシステム子会社とはずいぶんと様相を異にするのがJSOLといえよう。
また、JSOLの大きな特徴の一つに担当フェーズの広さがある。顧客企業のグランドデザインから要件定義にはじまり、設計・開発、テストから本番稼働を経て保守運用に至るまで、すべてを自社がワンストップで行っている。つまり最上流のコンサルティングを行いながら、その後の工程も他のベンダーに全振りするようなことはせず、自分たちが責任を持って請け負っているのだ。保守運用も自分たちで実施していくことで顧客の改善要望を聞き、また追加の開発につなげていく。リピート率が実に84%にも上るのは、そのサイクルを回し続けているからこそだ。
「作って終わりではない。そこからどうシステムの使い勝手を良くしていくか。顧客の市場変化、法改正など要件が変わっていく中で、課題やニーズを拾って次のシステム改修にいかにつなげていくか。まさに“使ってもらってからが本番”という意識で顧客に寄り添って長期的に課題解決を図っていくのが我々の仕事のスタイル」と、田井氏は話す。こうして「作る」フェーズにとどまらず、「使う」フェーズまでもコンサルティングしながらシステム改善を続けていくのは、日本総研時代から受け継がれてきたスタンスだ。JSOLには日本総研の遺伝子が脈々と息づき、それが独自のストロングポイントとして真価を発揮しているのだ。
もう一つの特筆すべき点はプロジェクトの規模感だ。大企業の基幹システムなどが中心になるため、全体予算が数十億円に上るプロジェクトも珍しくない。取引先は業界業種を問わず、自動車、医薬、金融、食品・消費財、流通、教育、メディア、建設など多岐にわたる。特に医薬は顧客が多く、業界の約7割の基幹システムをJSOLが構築・運用しているほどだ。
これら顧客のコンペに参加するのは、いずれも名が知れた大手IT企業ばかりだ。その中でJSOLが選ばれることも多く、「大手に勝って受注できるのが、当社で働く際の醍醐味の一つ」と田井氏は言う。では、なぜJSOLに白羽の矢が立つのか。須賀氏はこう話す。
法人ビジネスイノベーション事業本部
カスタマーエクスペリエンスサービス部第二課長
須賀 亮介 氏
「様々な業界の基幹システムを深く手掛けてきたことで、業務知識が豊富なメンバーが数多くいること。これこそが当社の最大の強みになっている。また、大規模なプロジェクトを回せるマネジメント力もある。民間企業の業務を深くまで知っているメンバーが最後の最後までプロジェクトをやり切る姿勢が評価され、『JSOLに任せておけば安心』という認識が業界を超えて定着している。それが新規獲得だけでなく、リピートにもつながっている」
そして、田井氏は次のように続ける。「様々な基幹システム開発を通じて多様な業界に精通した結果、顧客以上に業務を知っているケースも多い。例えば、顧客からは『こういうシステムが欲しい』とRFP(提案依頼書)が出されるが、あえて言われた通りに提案しないこともある。蓄積された業界の知識を駆使し、顧客自身も把握しきれていない、5年後、10年後の将来を見据えた付加価値のある提案をするように心掛けている。その提案力が他社にはない優位性となり、コンペで評価されて受注につながっている」
顧客の業務を顧客以上に把握した上で、最適な提案を行い、改善・改革をリードしていく。そこにこそJSOLの強みがある。業務知識に裏打ちされた提案力で大型の案件をものにし、長期的な課題解決にコミットしながらその後の改善サイクルを回していく。その独自のスタイルに対して評判が評判を呼び、JSOLは多くの優良顧客を抱え、NTTデータグループの中でも売り上げが上位に上るほどの稼ぎ頭となっているのだ。
世界的にも存在感が高まり、国内でも注目の「ServiceNow」
業務もシステムも知り尽くしたJSOLが導入に強みを発揮
そうして数多くの大手企業の基幹システムを担っているJSOLが、現在最も力を入れているのが、DX推進プラットフォーム「ServiceNow(サービスナウ)」だ。ServiceNowは、企業活動における様々な業務やサービスを単一のプラットフォーム上に統合し管理できる、ITサービスマネジメントのクラウドサービスである。よく見られるのが、情報システム部門への導入。社員から寄せられる問い合わせや申請などを、メールや電話ではなく、ServiceNowをポータルとして一元的に受け付け、管理する使い方だ。問い合わせや申請をワークフローにして回し、承認されたらタスク化して担当者を決めて遂行するといった業務の最初から最後まで、一元的に管理できることがServiceNowの売りとなっている。
しかしServiceNowの使い方はそれだけにとどまらない。近年は情報システム部門だけでなく人事や総務などの他部門、そしてプロジェクト管理にまで活用範囲が及んでいる。例えばITプロジェクトの予算申請をして、承認が下りたらスケジュールやコストの管理を行い、週報を逐一保管しながら案件を進めていくといった業務プロセスにも適用されている。あるいは製造業であれば部品調達ソリューションとして利用することも可能。旧来であれば注文は電話やメールの世界だったが、ServiceNowを情報ポータルとして、仕入れ先との見積りや注文のやり取り、問い合わせなどにも応用できるのだ。
さらに、最近ではセキュリティソリューションの機能も兼ね備えるようになっている。CMDB(情報システムなどの構成管理をするためのデータベース)と連係し、セキュリティインシデントを検知したらServiceNow上にアラートを上げ、担当者を決めて処理するまでの管理を実施できるようになっている。
つまり、これまで手作業として残っていた業務が、システム化され始めてきている。システムとシステムの隙間にあった業務に対して、ServiceNowを通じて効率化されているといえる。「ワークフローにとどまらず、様々なタスクを円滑に管理できる、万能の業務効率化ツールとして活用できるのがServiceNow。デジタルツールによって新たなビジネスを生み出すのが“攻めのDX”であれば、こちらは社内を効率化するための“守りのDX”。しかもノーコード/ローコード開発が可能な点が特徴であり、サービスを迅速に立ち上げられるという優れたメリットを持つ」と、須賀氏は説明する。
ただ、社内業務効率化を実現するサービスは他にも多数存在する。その中で、ServiceNowのアドバンテージを挙げるとすれば、一つは規模の大きな組織への導入に適している点だ。実際に多くの大企業で利用実績があり、中小・中堅企業向けのサービスとはこの点で一線を画する。更にいうなら、プラットフォーム上にワークフロー基盤をはじめとする様々な機能が予め実装されていることも強みの一つだろう。大企業向けでノーコード/ローコード開発のプラットフォームは他にもあるが、デフォルトでソリューションが搭載され、より早く稼働できるのが他の製品を凌駕するポイントとなっている。
そんな特徴のServiceNowは、実はJSOLにとって非常に相性が良いソリューションだ。まず、JSOLが優位な点として言及できるのが、前述の通り業務知識に長けていると同時に、質の高いコンサルティングが可能なことだ。「ServiceNowはただパッケージを入れれば良いという単純なものではない。まずはしっかりと業務コンサルを行う必要があるし、『それであればServiceNowをこのように導入し、こう活用すれば業務が改善できる』と適切な判断が必要になる。ヒアリングから業務改善、システム構築まで行ってきた、我々の強みがあるからこそ実施できる」と須賀氏は言う。
また、ServiceNowは基幹システムで足りない機能を補完するのに最適なツールだ。既に述べたワークフローやタスク、インシデント、プロジェクトなどの管理機能を基幹システムにアドオンで付け加えるとなると、コストも時間も掛かり過ぎてしまう。それがServiceNowであれば、低コストで即座に実装可能だ。「JSOLなら基幹システムを知り尽くしている。何が足りてなく、どこにServiceNowを入れると業務がワークするのか、勘所を押さえられる。業務プロセスの隙間、隙間にServiceNowを入れることにより、結果的には全体業務の最適化を図っていくという極めて有効な活用が当社であれば可能になる」(須賀氏)
こうした強みを背景に、JSOLではServiceNowの導入実績を積み重ねてきた。最近更に引き合いも増えており、営業活動も積極的に推進している。課題やニーズに即座に対応するため、作り込みに時間を掛けずプラットフォームをクイックに活用していくことは世界の潮流。ServiceNowはその最前線をリードするツールとして注目を浴び、今では国内のどの大手SIerも力を入れ始めている。「ひと昔前、セールスフォースを多くの企業が導入していった時と同じような流れがServiceNowにも起こり始めている。今はその入口であり、これからは動きが加速していくはず。JSOLはそのリード役として、展開に力を注いでいく」と須賀氏は意気込みを語る。
大企業を相手に新しいソリューションを自らの手で広める
プライムベンダーの中で折衝力、業務知識を磨けるのが魅力
JSOLは22年度からスタートした中期経営計画において、会社の規模を拡大させIT業界の中で存在感を高めていくことを目指し、経営の舵をシフトしている。そのため社員数を厚くする必要が生じており、キャリア採用も今までとは異なる次元で加速させていく予定だ。
求めるのは基幹システム経験者に加えて、注力するServiceNowの展開をメンバー、あるいはリーダーとして担っていける人材だ。「特にServiceNowは当社でも比較的新しい、チャレンジングな領域。どのように顧客へ提案していくのがベストなのか、自分で考えて挑んでいけるような人材を求めている。全く新しいサービスを自らの手で広めていきたいという思いを持つ方は、ぜひジョインしていただきたい」(須賀氏)
何よりJSOLで働く最大の魅力は、各業界のリーディングカンパニーを相手に、業務ノウハウを吸収するチャンスが豊富にあることだ。ServiceNowであれば、営業に同行してヒアリングや提案といった最上流から関わることで、顧客の既存業務とその課題、及び解決策を自身の手で導くことになる。また導入後の保守も自ら行うため、それぞれの業界特性に応じた課題に直に触れることができるのだ。「すなわち、プライムベンダーとして大企業の顧客と直接話しながら、課題解決を様々なフェーズで担当できる。大企業との折衝能力やノウハウが身に付くだけでなく、当然業務知識も豊富になる。IT業界の人材としての価値を間違いなく高めることができ、仕事としてもやりがいを感じることができる」(田井氏)
キャリア採用で入社した人材へのサポート面もしっかり考慮されている。入社後は3カ月以内に同時期にキャリア採用されたいわば”同期“ともいえるメンバーと、一緒に社内研修を受ける機会がある。自分がJSOLの中で何を行い、どうキャリアアップを図っていくのかをメンバーとディスカッションし、キャリアビジョンの形成に役立てている。他には経営層と共にランチを取って親睦を図る「ウェルカムサロン」という企画も始めており、部署以外のメンバーとも交流を図れる仕組みを作り、会社にできるだけ溶け込みやすくなるように工夫がされているのだ。
また、上司とは年4回の面談が設定されている。そこでは3年後、5年後を見据えてどのようにキャリアを積んでいくかを相談する場としても活用されていて、その結果、社内公募制度を使って違う領域にチャレンジする環境さえも用意されている。それ以外にも組織によって上司と30分~1時間、1on1(ワンオンワン)で話す機会も別途設けられており、意思疎通や相談がとにかくしやすい環境といえるだろう。
業務に直結する技術面などの研修は会社負担で受講できる一方、英会話や中小企業診断士の資格取得など、各自の目標に向けた自己研さんに対しても年間15万円分の費用が支給されるなど、育成の制度も手厚い。
キャリア採用への応募を検討している方に向けて、田井氏は熱く語る。「今まで二次請けの会社で働いてきた方が、プライムの立場で顧客の課題解決に力を尽くしたいと考えてJSOLに入ってくるケースは数多くある。チャレンジ精神の強い方には、ぜひ応募をして欲しい。特にServiceNowのような新しいソリューションでは、外部からの新しい力が不可欠。イノベーションを起こすためにも、ぜひ力を貸してほしい」
大企業の基幹システムを多数手掛けてきたことで、抱える業務知識は業界でも最高峰。その知識と課題解決のスタンスが、ServiceNowという新たなソリューションにも強くマッチしている。経営面でも育成面でも、安心できる環境が揃っているのも大きな特徴。今後更に市場へ浸透していくServiceNowに携わるなら、これほど恵まれた環境はないだろう。
ライター プロフィール
- 高橋 学(たかはし・まなぶ)
- 1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
- ◇主な著書
- 『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。
リーベルコンサルタントから一言
JSOLがなぜServiceNowをそこまで上手く使いこなせるのか。その理由がよく分かるインタビューでした。
JSOLの強みは製品固有の知識ではなく、あくまで業務ノウハウにあります。顧客にとって最適な業務プロセスを生み出すスペシャリストだからこそ、基幹システムでも成果を残して来ました。その強みを生かすソリューションとして、ServiceNowを選択したのは必然とも言えるでしょう。
JSOLにとってもServiceNowは新しい領域。業務知識を身に付けてDXに挑戦したいという方は、是非一度お話を伺ってみてください。