転職における働き方の事情
転職を希望される方の事情は様々で、年収や仕事内容以外にワークライフバランスや環境面の改善を求める方も多くいらっしゃいます。残業時間を減らしたいという思いは、一昔前には仕事に対する意識が低いと企業側から受け取られる懸念もありました。ただ、今はそういった思いも受け取られる時代です。伝え方さえ適切であれば、問題無いはずです。
企業にとっても、今は健康経営が重要視されています。社員が適切な労働時間で働くことで、自己学習や健康のための運動など、明日以降の仕事にもプラスとなる効果的な時間の使い方が出来るのです。
その一方で、子育てや介護等、ご家族の事情で時間制限があり、通常時間におけるフルタイム勤務が難しいという方もいらっしゃいます。月に〇日は休みを取る必要がある、週に〇日は〇時までのお迎えが必要、のような事情を皆さん抱えています。
そのため、現職では時短勤務を適用しているという方も一定数いらっしゃり、転職後も時短勤務の適用が可能か。という希望を頂きます。
当然、時短勤務を前提として採用してくれる企業もありますが、時短OKとうたっている求人自体は残念ながら多くありません。今後増えていくとは思うのですが、中途採用として期待しているパフォーマンスを満たすには、基本的にフルタイム勤務を想定されていることが一般的です。
一方で、働き方自体は以前よりも柔軟になって来ています。
制度だけでなく、現場での運用も重要
以前からフレックスは浸透していましたが、コロナ禍を経てリモートワークの活用も定着しています。出社回帰の流れも徐々に増えていますが、依然としてリモートワークとの併用を認めている企業も多く存在しています。
また、そういった制度面だけではありません。運用自体も、現場に応じてフレキシブルに適用されていると感じます。
色々な企業からリモートワークに関するお話を伺いますが、その多くはチームごとに規定・運用されています。チームリーダーの考え方やメンバーの事情に応じて、働き方に関する規定や運用も行われている企業が多いのです。そして中途採用においても個々の事情を汲んでくれるケースが多くなり、選考中から面接にて摺り合わせをされています。
つまり、時短制度そのものを会社として適用した採用自体にはハードルが高い一方、現場レベルでは柔軟に受け入れて、働き方を一緒に考えようと前向きに動いてくれるのです。
自身の事情と希望を伝えよう
転職においては、企業側の制度を求めることより、自身の希望を伝えることの方が結果的に上手く進みやすいと思っています。また、それに至る事情や背景も合わせて伝えることも実は効果的です。転職の場で自らのことを語るのは気が引けるかもしれませんが、企業は貴方に興味を持っています。一緒に働く仲間が、どのような事情を抱えているのか。どのように受け入れれば、この人が働きやすいのか。そういったことを共に考えようとしてくれているのです。企業によっては同じご事情の方が既に働いているケースも多々あります。今の時代、特別なことでは無いのです。
あとは企業側の受け入れ次第。制度だけを求めるのではなく、腹を割って事情を話すことも重要だと思います。