私たちが普段何気なく発している、言葉。日本には古くから「言霊」という単語があるくらい、言葉を大切にする文化が根付いています。転職活動においても言葉が持つ影響力はとても大きいです。実際の経験やスキルと同じくらい、むしろそれ以上に、書類に記載する言葉や面接で発する言葉が転職活動の成否を握っているといっても過言ではありません。それほど大事な「言葉」ですが、実際は残念な言い回しをして損をしている人も多く見かけます。せっかく良いご経験を積んで、素晴らしいスキルを持っているのに、言葉の使い方が原因で良縁の可能性を狭めてしまってはもったいないですよね。そこで、今回のコラムでは転職活動における言葉のポジティブな言い換えの重要性について、例を挙げながらお伝えします。
転職活動で必ず聞かれる質問の一つに「転職理由」があります。しかし転職理由を本音ベースでそのまま話そうとすると、ネガティブな言葉がたくさん出てくることと思います。例えば、残業時間が多い、年収が上がらない、業務が固定化してつまらない、上司から評価されない…等々、何かしらの不満がきっかけとなって転職を考えていることでしょう。しかしこれらの言葉をそのまま発してしまうと、残念ながら面接はうまく進みません。それではどうすれば良いのか。これらのネガティブな言葉をポジティブな言葉に変換する必要があります。
例えば、ネガティブな言葉は下記のようにポジティブな言葉に言い換えることができます。
ネガティブな言葉 | ⇒ | ポジティブな言葉 |
---|---|---|
残業時間が多い | ⇒ | 業務以外の時間も作って、自己研鑽の時間に充てたい |
年収が上がらない | ⇒ | (より難易度の高い)●●な仕事に挑戦し、パフォーマンスを発揮したい |
業務が固定化してつまらない | ⇒ | これまでの経験を活かして、新たな領域で●●したい |
上司から評価されない | ⇒ | 現職では■■が求められるけど、私は●●で会社に貢献していきたい |
全く同じ意味とは言えませんが、転職理由を深堀していくと、上記のような言い回しもできるのではないでしょうか。例えば、「年収が上がらないから年収を上げたい」という希望についても、ただ単に「年収を上げたい」だけ話すと、面接官としては「年収が何に対して払われているかわかっているのだろうか?年収が上がる根拠は何だろうか?」と思います。しかし上記のように、年収を上げるためには今までよりも難易度の高い業務に取り組み、成果を出す覚悟があります、と表明するだけでも、印象は違ってくるのではないでしょうか。さらにいうと、漠然と今より難しいことに挑戦したい、と伝えるよりは具体的にどんなことをやりたいのか、そのためにどんな努力をしたいのかまで伝えられるとより良い印象となります。
今回ご紹介したのはほんの一例ですが、ぜひ転職活動では相手の立場や気持ちを想像した上で、一つ一つの言葉を大切に発していただくと明るい未来が開けると思います。