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第711章
2015/08/07

今からでも遅くない地頭の鍛え方

— 地頭の良い人ってそもそもどんな人? —

偏差値が高い人と地頭が良い人は違う

{first 10-digit prime found in consecutive digits e}.com
このように書かれた看板が世間を賑わせていたのを知っていますでしょうか。これは、{自然対数の底eの中で最初に出てくる連続した10桁の素数}.comとURLを打ち込むと、Googleの採用ページに飛ぶというカラクリがあります。※現在は終了しています。
数Ⅲまで習っていない場合は、「自然対数の底e」というのを「円周率」と置き換えるとイメージがつくと思いますが、こんな問題を解けるのはいわゆる頭が良い人でしょう。

さて、コンサルティングファームではよく、「地頭の良い人」を求めておりますので、こういう問題が解けるような人が入っていくのでしょうか。答えは半分正解で半分間違いです。確かに、Googleの入社試験を突破できる方とそうでない方を比較したときに、前者の方のほうが受かりやすいかもしれませんが、必ずしも地頭が良いとは言い切れない部分があります。東大入試問題は満点以外とったことが無いという人がいた場合でも同様です。高偏差値の方であることは事実でしょうが、ファームが求める地頭の良さはまた別の要素も絡んできます。
では、地頭の良い人とはいったいどういう人のことを言うのでしょうか。

地頭が良い人は3つの要素が揃っている

私は数多くのファーム志願者を支援してきましたが、内定が出る人とそうでない人を比較してみると、ファームが求める「地頭の良さ」を持つ内定者は以下の3つの要素を持っていることが分かって来ました。

(1) 学習意欲、成長意欲(勉強することに努力してきたか)
(2) ロジカルシンキング(筋道が立てて第三者に自分の考えを話すことができるか)
(3) Factベース(事実ベースで考えることができるか)

(1)については、偏差値が高いこと、有名大学を出ていることを指しているのではありません。もちろん、有名大学を出ているということは、大学受験の際に努力して勉強しているので、自然とこの要素を持っていることが多いですが、要は与えられた場所でちゃんと勉強してきましたかということです。ファームではクライアントの業務内容を始め勉強することが数多くあり、複雑な問題をひも解いていかなければならないため、勉強に対する耐性と考え抜く力がついていないとキャッチアップは難しいです。

(2)については、話し方がうまい人のことではありません。おしゃべりが得意なだけの人で内定が出た方は見たことが無いです。相手の質問に対して相手が望む答えを出せているのか(志望動機を聞いているのに転職理由を語り出すなどはNG)、簡潔に分かりやすくまとめて話せているか、話している内容が終始一貫性を保てているかなど、ロジカルシンキングとは何かを簡単に表現するのは難しいですが、敢えて一言で表現するならば、「構造化して話せているか」だと思います。

(3)については、意外と面接の中で大きなポイントになっているところであり、落とし穴でもあります。例えば、「弊社で働いた場合に、どのように貢献できますか」という質問があった際に、「コスト削減が得意なので、工数削減に貢献できます」と答えた場合は全くアピールになりません。私が面接官だったら、「本当にできるのかな…?」と疑問に持ちます。現職でどのような案件に、どのような役割で入っていて、その中でどういう問題があり、どのような課題を解決しなければならず、誰を巻き込んで、どう解決していき、結果的にどれだけコスト削減ができ、その経験がどこで生かせるのかまで答えることができないと納得して頂けません。つまり、事実は何かを的確に捉え、その事実から正にロジカルに結論を導き出さなければなりません。

今から鍛える地頭力

地頭力とは、決して生まれ持った才能では無いと私は思っています。地頭力は今からでも鍛えられるものです。では、地頭力を鍛えるために今からできることは何か。それは、上記の(1)~(3)を普段の業務の中で意識することです。

「~だと思います」と答える場合も、自分の考えや想像を話すのではなく、まずは事実は何かを洗い出し、そこから結論(そう思った理由)までを構造化して話すようにします。その中では、特に数字を意識するとよいでしょう。そして、常に知識欲を持ち勉強することです。勉強することは、単純に知識が増えるだけでは無く、自分の考えが広がるメリットもあるはずです。私自身はこれらを意識し始めてからは、主観的かもしれませんが地頭が鍛えられていると実感していますので、業務の中で行き詰まりを感じたり、将来はコンサルになりたいとお考えの場合は、参考にして頂けますと幸いです。

<LAZ>

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