面接でよく聞かれる質問に、「これまでのPJで失敗した話を教えてください」という業務に絡めた質問があります。私も面接練習でよくこの質問をするのですが、謙遜しながらも「これまで特に失敗した事が無いのですが。。。」と回答する方もいらっしゃいます。
失敗が無いとは、これまで失敗続きの私なぞからするとうらやましい限りです。
ぜひそのコツを教えて欲しいところですが、企業からすると「失敗が無い」というPRは逆効果になるケースがほとんどだと思ってください。
IT業界の仕事は、決められたルーチンワークをミス無くこなす事ではありません。世の中の技術を組み合わせ、ギリギリのマネジメントを行う事で、初めて顧客に価値を提供出来る、非常に難易度の高い仕事です。言ってみれば新しい挑戦が無くては成功も有りませんし、成功の為には程度の差こそあれ失敗は付き物の業界です。面接官もそれを分かっているのです。
その前提のもと「失敗が無い」というアピールは、「自ら新しい挑戦をまったくしていない」若しくは「自分の失敗に気付いていない」のどちらかに判断されかねません。IT業界にいれば、失敗は必ず付きものです。思いつかない人は、これまでの業務を今一度振り返ってみてください。
例えば、先日練習した方で、業務上のケアレスミスを回答された方が居ました。
ケアレスミス自体は誰にでもある事。大きな失敗とは言えませんよね。そもそも何故ミスをしたのか根本を辿ると、システムの全体構成を抑えていなかった事が分かりました。それ自体が大きな「失敗」と言えるはずです。
ご自身が関わったPJを、より高い視点で振り返ってみてください。その場では気付けなくとも、今になって見えて来る失敗も有ると思います。
<鈴木 裕行>