企業の方に募集要件を聞きに行きますと、大抵『コミュニケーション能力のある人』という条件を口にされます。
そして、実際お見送りになる理由で圧倒的に多いのが、やはり『コミュニケーション能力』になります。
では、コミュニケーション能力とは一体何なのか?という話になるのですが、例えば、よく話す人がコミュニケーション能力の高い人でしょうか。早く話す人がいいのでしょうか。逆にゆっくり話し、口数が少ない人は不利なのでしょうか。
確かに日本では、明るく活発で、早口でよく話す人がコミュニケーション能力のある人と見られる傾向にあります。実際、コミュニケーション能力が高いと言われる方を見ると、それらの要素を兼ね備えておられる場合が多いです。
しかし、だからといってそれらの要素をがむしゃらに伸ばせばいい、というものではありません。よく話す方でもお見送りになる方はたくさんいらっしゃいます。
再び『コミュニケーション能力とは何か』に戻りますが、ポイントは『なぜコミュニケーション能力が必要とされるのか』、そもそも『コミュニケーションとは何か』ということです。
コミュニケーションとは、意志疎通の為の手段です。そして意志疎通とは、個々人が考えていることをお互いで共有することです。
つまり、相手の言葉を受け止め、咀嚼して、相手が何を求めているかを考えて、適切に自分の考えを相手に伝える事が最も重要なことであり、速さや明るさは本質ではありません。
ゆっくりでもテンションが低くてもよいので意志疎通を図ること、これが『コミュニケーション能力のある人』と思って貰えるポイントです。
そのため、面接の準備として、無理にペラペラと話をする訓練をするよりかは、どういう事を相手が知りたいのかを想像し、考えを整理した上で、分かり易く伝える練習をした方が良いです。
面接にあたり『コミュニケーション』に不安がある方は、ぜひ試してみてください。
<田中 祐介>