『転職先を決められません、優柔不断ですみません』と謝る方は意外に多いです。そういった話を聞いた時、私は『十分に悩んで下さい』とアドバイスします。転職はリスクがあり、のちのち後悔するような選択をして欲しくないので、ここで十分に悩んだ上で結論を出して頂きたいからです。
迷ったときは、原点に帰るのが良いと私は思います。
私自身もそうだったのですが、長い年月を経たとしても、最終的には就職活動などをした時に感じた純粋な『気持ち』の部分に人は戻っていくからです。
転職活動を始めたそもそものきっかけ、新卒入社時や前回転職時の思いとギャップ、転職により何を得たいのか…。
ステータスとか年収とか待遇とか…、転職活動をしているうちに、いろいろな付加的なものが情報として入ってきて、ついついそちらに頭がいってしまうこともあると思います。
しかし、それらで最初のピュアな気持ちを覆い隠してしまうと、判断する目が曇ります。そして、数年後にはまた、気持ちが潜伏期を経て再燃してくることが多いです。
そのため、最終的にどこを選ぶかについては、皆さんの純粋な気持ちがどこにあるか次第だと私は思っています。そのお気持ちに素直に従って選んで頂くのが、将来的に最も良い選択になると思います。
私自身、目の前にいる人の人生が、自分の支援によりプラス方向に向かうということを仕事にしたいと思い、最初の会社に就職しました。
しかし、実際はシステム開発の作業がほとんどであり、顧客の相談相手には余りなれなかったことから、コンサルティング会社に転職しました。そして、仕事の課題解決よりもっとダイレクトにその人の人生に触れ得る仕事をしたいと思って、いまの会社に転職をしました。
今の仕事をしてきてつくづく思うことは、『人は原点に帰る』ということです。
そして、原点に戻って、それをストレートに表現できる環境に入った時に、人は自分の能力を最大限に発揮できるのだと、自らの体験から実感しています。
気持ちを覆う余計なものを取り除いて、原点、すなわちご自身の気持ちに立ち戻り、思いに素直に従って転職先を決めていただければと思います。
<田中 祐介>